2014/05/15

中途半端。

 
 去年に少しだけ書き進めていた創作なんですけど
なんだか放置しっぱなしで尚且つ途中までしかできていません。
あまりにも放置しすぎて
お話の内容を忘れてしまったので
仕方ないので途中までのお話です。
SSはお話の順番に並べています。

なにあともあれ・・・中途半端ですよ・・・。
それでもよろしければどうぞ。
 

 
私はいつもの様に宿屋の酒場で踊りを披露し
その日の生活の糧を得ていた。
生きていくには、この仕事を続けるしかなかった。
もう帰る場所さえないのだから・・・。
 
 
男達の視線を感じ私の体は微かな反応を見せる。
体は徐々に朱色に染まっていき
まるで男達を誘うかのような挑発的な踊り。
 
徐々に熱を帯びる私の体。
これは踊っているから体が火照っているんじゃない事は
私自身よく解っていた。


 
「ふぅ・・・・・はい、今日の分ね」
 
「おつかれさん、何か飲むかい?」
 
一通り踊り終わると私はいつもの様に席に腰掛け
酒場のオーナーへ声を掛け売り上げの一部を渡す。
 
「エールでいいわ」
 
私が生活に困窮していた時助けてくれたのが
このオークの女性のオーナーだった。
そしてこの酒場で踊り、生活の糧を得る事も薦めてくれた。
オーナーにとっては酒場の売り上げも上がり一石二鳥だったらしい。
 
「それにしても今日の踊りは随分と熱がこもっていたねぇ」
 
「ん・・・なんだか今日は変なのよね・・・よく解らないけど・・・」
 
私は差し出された冷たいエールを飲みながら
オーナーの話に耳を傾ける。
 
 
「どうだい今夜?」
 
「ある人が、あんたを気に入ったみたいなんだが?」
 
私はオーナーの提案に驚いていた。
しかし内側から湧き出る感情が抑えられず
怒りを露にし声を張り上げていた。

「私は娼婦じゃない!!」

そう言って私は手に持っていた
エールをテーブルに叩きつけていた。
私の意外な反応にオーナーは目を白黒させて驚いていた。
やがて困惑の表情を浮かべ

「ごめんよ・・・正直そこまで怒るとは思わなかったよ」

オーナーにとってはちょっとした冗談のつもりだったらしい。
徐々に薄れていく怒りの気持ち
それと同時に込み上げる悲しみ。

「っ・・・・ごめんなさい・・・うぅ・・・ごめんなさい・・・」

私は目に涙を浮かべながらしきりに謝っていた。



 オーナーは優しく声を掛けてくれ
私はその優しさに甘え涙が尽きるまで泣いていた。
 
「・・・・・」
 
オーナーは何も言わず私の頭をずっと撫でていた。
どれ位の時間が経ったのだろう
私は部屋に戻る事を告げ席を立とうとすると
目の前に一枚の手紙が差し出された。
 
「・・・ん?」
 
「あんた宛に仕事の依頼だよ」
 
「あんたの踊りをパーティーで披露して欲しいそうだよ」
 
「私が・・・?」
 
こんな依頼は初めてだった。
オーナーが気を利かせて依頼を受けてくれたのだろうか?

「それとこれは前金だよ」

私は手紙とお金を受け取ると
オーナーに礼を伝え席を立った。



 
部屋に着くと私はいつものように衣類を脱ぎ捨て
ボウルに貯めておいた水に布を浸し
体の汚れを洗い落とす。
 
「ふぅ・・・・んっ・・・」
 
体を清めながら私はオーナーの言葉を思い出していた。
 
(ある人が、あんたを気に入ったみたいなんだが?)
 
ゴブリン達から逃げ出した私は命からがら
この酒場へ逃げ込み助けを求めた。
しかし、無一文の私を助けるほど甘くは無い事は解っていた。
 
 
この部屋で私は見知らぬ男に身を預けた。
いくら生活の為とは言え一度っきりの過ち。

 





















 





 
























 
 
 
 
 












 








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