2015/01/12

微睡。


ICでのお話です。
とりあえず長いので途中で切っています。
だらだらとしたお話ですけどよければどうぞ・・・。



ダイバーセプティムホテル
この場所に私は月に一度訪れる。
自分へのご褒美の為に。
このホテルでは宿泊以外にエステのサービスもあり
踊り子をしている今の私には自分を磨く為にも必要だった。


早速ロビーへと入り受付の女性へ部屋の予約と
エステの約束を取り付ける。
鍵を受け取った私は早速自分の部屋へと向う。
気持ち足取りが軽く感じた。


「うわぁ・・・すごい・・・・」

部屋に入ると高価な調度品が数多く飾られ
私の目を楽しませる。
部屋にはお香が焚かれており
いい香りが私を包み込む。

荷物をテーブルに置きしばらく
部屋の様子を楽しんでいた。


「さてと・・・ふぅ・・・」

予約していたエステの時間が近づいたので
私は身に着けていた衣類を脱ぎ準備を始める。


旦那様の元を離れてからどれ位経つのだろう
私は衣類を脱ぎながらふと、そんな事を考えていた。
下腹部に刻まれたコブリンの奴隷となった証が
ズキズキと痛み出す。


コブリン達から何とか逃げ出す事ができたが
体にこんな証を刻まれては
旦那様の元へは帰れない・・・・。
私は町から町へ移り、踊りを披露する事で
生活の糧を得ていた。


こんな仕事をしていると絡んでくる男も大勢居た。
娼婦と間違われ襲われそうにもなったけど
こうしてまたこの場所へ来れるのは
今までの辛い事を少しでも
忘れられそうな気がしていた。


テーブルの上に用意されていた
ホテルの備品のバスタオルを羽織り
私は地下にあるサロンへ向かった。


「あの・・・。」

「いらっしゃいませ・・・」

私は困惑していた。
受付にはいつもの女性ではなく男性・・・。
仕方なく声をかけ私はいつもの女性の人が
居るのかを尋ねてみた。

「すいません・・・いつもの人は・・・?」

「申し訳ございません、只今他のお客様を接客中でして・・・」

すると男性は今担当の女性は席を外しており
自分がお客様の対応をするとの事だった・・・。


「ではコースの説明から・・・」

ベットに座り男性からエステの説明を受ける間も
何を話しているのか耳に入ってこなかった。
それよりも気になるのは男性の視線で
私の体を観察するようにじっくりと見ている感覚が
恐怖を感じていた。

「それでは、一度入浴していただいて・・・」

「え・・・?はぃ・・・・」

私は流されるままに浴槽へ足を運んでいた。


流されるままに隣の部屋にある浴槽へ
足を運ぶと男性は気兼ねする事無く付いて来ていた。
私は男性に声をかける。

「あの・・・一人で入れますから・・・」

言葉はやんわりと言ったが私は男性を見つめ
離れるように諭すと男性は奥の部屋へ
消えていった。

「はぁ・・・どうして男の人なのよ・・・」

思わず言葉が出てしまった・・・。


湯船からはもくもくと湯気が立ち
薬草の成分が辺りに充満していた。
私はバスタオルを脱ぎ湯船に手を入れてみると
お湯の熱さにびっくりし声を上げていた。

「あっ・・・・・ちょっと熱いかも・・・」

すると背後からいきなり声をかけられ
私はびっくりして悲鳴をあげていた。

「いい体してるなぁ・・・」


「きゃぁあああ!」

振り向くと先ほどの男性が
立っており私に声をかける。

「湯船の温度は少し高めですので・・・」

私は男性に背を向け厳しい口調で
出て行くように諭していた。

「お願いだから出てって・・・!」

男性はニヤニヤした顔つきをしており
私の体を舐め回すように見ると
不気味な笑みを浮かべ再び
奥の部屋へと消えていった。


「はぁ・・・・どうしてこんな・・・」

思わず出てしまう愚痴。
踊り子の仕事をしている為か男の視線には
慣れているけど、密室で2人きりになるのは
恐怖を感じてしまう。

どれ位でいつのも女性は戻ってくるのだろうと
私は湯船に入りながらそんな事だけを
ずっと考えていた。

(せっかく来たのに帰るのは・・・・)

いばらくすると奥の部屋の扉が開く。
私の視線は扉へと注がれた。


扉から現れたのはいつもの女性だった。
私は思わず湯船から立ち上がり声をかける。

「あ・・・・よかった・・・ふぅ・・・」

「ごめんね・・・待たせちゃって」

いつもの調子が良い口調に私も安堵の笑みを見せ
笑顔で談笑していた。
湯船に浸かりながら今までの事を話すと
この女性は何度も頭を下げ私に謝罪していた。

「それじゃあベットの方へ行きましょうか」

女性は私をベットへと案内しながらも
先程までの緊張を晴らすべく
会話を繰り返す。


ベットへ横になると全身にオイルを馴染み込ませ
体全身を解す様にマッサージがおこなわれ
どんどんと全身の力が抜けリラックスしていく。

「あ・・・・あぁ・・・・・」

あまりの気持ちよさに声が漏れ出す。
だけど自分を抑えきれなくなった私は
マッサージを受けるたびに声を上げていた。

「っ・・・・うぅ・・・・あっ」

まるで宙に浮いた感覚が私を包み込んでいた。
意識がどんどん遠のいていく・・・。
どれ位の時間が経ったのだろう
私は眠りに落ちていた。

女性の声が遠くから聞こえる・・・。
だけど今はどうでもよくなっていた。

「あらあら・・・寝ちゃったのね・・・」

女性はそう言うと席を立ち奥の部屋へと消えていった。


体を包み込む心地よい感覚。

「・・・ん」

ぼんやりと見える天井。
どれ位眠っていたのだろうか・・・。
徐々に開けていく視界と確かに感じる人の視線。

「相変わらずいい体してんなぁ・・・」

微かに聞こえる人の声に私は問いかける。

「誰・・・?」


「う・・・・うぅ・・・・」

ぼんやりと開けていく視界に私は
視線を人の気配のする方へ移す。
確かに見える人影に私は悲鳴をあげていた。

「きゃぁぁぁぁああ!!」

私が悲鳴をあげても男は動じる事なく
ジロジロと私の体を眺め
そして私に声を掛ける。

「お目覚めのようですね、お客様」

淡々と喋る男に私は恐怖を覚えた。

続く・・・。

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